#15
#罪悪感
大人には
「思っていても言ってはいけないこと」
がある。
これについて、思い浮かぶのは何だろうか?
ふとましい女性に対する「デブ」とか、頭の薄い男性に対する「ハゲ」など…
こういうわかりやすい話では、ない。
思っていても言ってはいけないこと。
それは、
「教育担当の先輩が、後輩の協調性があまりにも浅薄で、それに対して内心腹を立てていることを、後輩本人では無く周囲に言ってしまうこと」である。
…やってしまった。
完全に酔った勢いである。
もし後日、後輩本人が「お前ダメだぞ!もうちょっと空気読め!」なんて言われて、
「え?何がですか?」
なんて話になった時、
「お前の先輩の〜〜が、〜〜って言ってたぞ!」
なんて伝わろうものなら、もう後輩と私の信頼関係はゼロである。
むしろ後輩から憎まれるかもしれない。
ただ、言い訳なのだが、もちろんこういうのは、その場で本人に直接言うべきなのだが、正直、どう伝えたら良いかわからないのだ。
後輩の常識や思考が、自分と異なり過ぎていて、何を言っても伝わらないし、むしろ「先輩から怒られた!」ということばかりが先行して、萎縮させるばかりなのである。
そーゆーのは、もう半年も経つので、わかっていたのだ。
わかっていたつもりだったのだ。
でも、酒の席ということもあり、爆発してしまった…のだ…
というか、ホントのホントのところは、私は彼をベタ褒めしたいのだ。
さすが!よくやったね!君は出来る子だ!エースだ!
って言いたくて、期待をしているのだ。
早くバランス感覚を身につけて、人との付き合い方や、社内の立ち回り方も覚えて、キャラを確立させて、安定した楽しい生活を送って欲しいのだ。
その期待が、日々裏切られ、端々で伝わらず、むしろ「重荷だ!」なんて思われている時もあるので、本当に溜まるのだ。
イライラを通り越した何かが、
心の中に澱のように。
結論として、酒には飲んでも飲まれるな、である。
〜ここからは前向きな話をかこう〜
現状に対して、自分で出来ることはとりあえず3つである。
①一点一点おかしいところを、根気強く、話し合い、認識させ、考えさせ、改善させる。
②とりあえず無視、静観を決め込み、本人の気付きを待つ。
③業務の出来不出来ではなく、それ以前の社会人としてのメンタリティの話なので、会社にぶん投げる。
(研修を受けさせるなりなんなりして、真人間になったところへ業務を詰め込む。)
③’ 海外へ飛ばす。
以上である。
4点あるって?最後のやつは荒療治である。
最も建設的なのは当然①だが、これは私の負担が大きく、同様あるいはそれ以上に、後輩も大変である。お互いに耐えられなくなり、関係が悪化する可能性が極めて高い。
しかし!もちろん後輩のせいだけではなく、私にもっと指導力や、カリスマ性があれば、後輩も、負担ではなく、前向きにやっていけるはずなので、私も頑張らねばならない。
それを思うと、①でいきたい、
いきたい!…がしかし。。。
上記の通り、リスクは「後輩が耐えられない」ことなので、キチンと話し合ってから行う必要がある。
可能であれば「三回同じことを指摘された時は怒る」などとルール決めを行い、怒られる方の負担を軽減してあげることも必要と思う。
なんにせよ自分に施された教育法とは違う方法を考えないといけない。
現状は②である。
ちくちく刺すことはあるけれども。
これには、「いつまで静観するのか?」という問題点と、「最後まで気づかなかった時に、取り返しがつかない」リスクがある。
ともない、私の精神的負担も大きい。
ダメなことを見逃している、問題点を無視している、というその罪悪感に苛まれる。
ただ、後輩は自分のペースで進められるので、①とは違い、後輩の負担は少ない。
少ないが故に、進みも遅い。
③は、正直、お互いにとって一番良いのではないか?そう思っている。
ただ、これをするにあたり、周囲の同意および会社としての決裁が必要なので、必然的に私は
「周囲に対して、後輩のいるいないに関わらず、彼がどれだけダメか」という話をしなければならない。
これにより、未来永劫、後輩との埋まらない溝が出来ることだろう。
でも、刹那的には、私が一番楽になれる。私が。
もちろん将来的には、「あの時なぜ頑張れなかったのか」という心の傷は負うかもしれないが、やむなしである。
③' は、外に出すという意味で、本質的には③と同義なのだが(つもりなのだが)辞めるどころか死なれたりでもしたら目覚めが悪い。
だし、会社として経費かかり過ぎるので無いだろう。無し。
ここまで書いておいてなんだが、とりあえず火曜の朝、金曜の夜のことは後輩と面談しよう。
でもその時の注意点がある。思っていても言ってはいけないことがある。
「周りに愚痴っちゃったわ、ごめんな!」はダメだ。
周囲との和を大切にしなさい、という話を、再三しているが、改めてキチンとするのだ。
向こうはきっと、なぜ?と聞いてくるだろう。そのときに、納得させられるように、答えてあげないといけない。
頭が良いので、一苦労かもしれないが、納得させて、理解させたい。
後輩はきっとこう言うのだ。
「終業後の時間は、個人の自由です」と。
ほな。